kai8787の日記

編み物と散歩と読書とダイエット

散文

物語のリアリティー

本を選ぶときはタイトルに惹かれたりする場合もある。読んだことのない作家だと特にタイトルで手に取ることが多い。 中村文則『去年の冬、きみと別れ』もそんな小説の一つだった。中村文則は推理小説家だ。けれど、タイトルはそれっぽくなく感じて興味を持っ…

花言葉の物語ーミモザ

散歩の途中で、りっぱなミモザに出会いました。もう大分過ぎてしまいましたが、3月8日はミモザの日、国際女性デーでした。イタリアでは、日頃の感謝をこめて、男性が女性にミモザの花を贈るそうです。ミモザの花言葉は、「優雅」「友情」「秘密の恋」です…

惰性OK

よく「毎日惰性で暮らしてる」って嘆いてる人がいて、もっと有意義なことをやりたいという思いがあるんだろうけれど、私は惰性で暮らせるなんてスゴいことだと思う。顔を洗う、歯を磨く、ご飯を食べる、出かける、お風呂に入る、……。そういう一つひとつが今…

うさぎさんに会いに

今日はお友だちが「うさフェスタ」に連れていってくれました。可愛いうさぎさんグッズがいっぱいあってテンションあがりました。 うさぎさんを連れている人もたくさん。私のとこのうさぎさんは、もうお月さまに帰ってしまったので、うらやましい……。 卓上カ…

反応するところも感動もこんなに違っちゃう

いつ読んでも限りなく切なくなる物語がある。J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』もその一つだ。16歳のホールデン・コールフィールドと妹フィービーの会話のところで、いつもじーんとなってしまう。ホールデンが将来なりたいものについて語るシー…

あるカウンセラーのひとりごと

僕の名まえは兎田ぴょん。職業はカウンセラーだ。ウサギの話を聞くのが仕事。恋の悩みや仕事の愚痴や家族の悪口、それから「死にたい」まで、何でも聞く。時には殴られるんじゃないかというくらい怒ってるウサギもいる。でも、僕はそんなウサギたちが嫌いで…

作家・中島らもさんと

過去、数年間毎日夜になるとお酒を飲んでいたことがある。ひどく落ち込んでいて、つい頼ってしまっていた。お酒というのは毎日飲んでいると、もうあまり酔わないというか、酔っている感覚が鈍くなって、ウィスキーをストレートでぐいぐいいくようになる。あ…

翻訳って奥が深いんですね。

前に、村上春樹の翻訳は村上春樹臭が漂っていて……とか書いたのだけど、 【本の記録・感想】ふと再会してみたくなる - kai8787の日記それは『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の冒頭を読んだだけの印象だったので、トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』…

都市の迷路に立つ

ニューヨークには行ったことがない。随分前、ボストン、プリンストン、ミネアポリス、ロスには行ったことがある。アメリカの印象は一言で言うと “るつぼ” (人種のことだけじゃなく)だ。でも、私の見たアメリカはほんの一部のホワイトカラーの世界だし、二…

花言葉の物語~ハナニラ

久しぶりの散歩の途中で、斜面に咲くハナニラの群生を見つけました。ハナニラはとても可憐で透き通るような花の白が清楚だなと思いました。でも、ハナニラの花言葉は、悲しい別れ、耐える愛、卑劣、恨み、星に願いを。なかなか凄いラインナップですね。この…

微妙な距離ー男女の友情そして恋

男と女の友情には、ほどよい距離感が必要だと思う。性的にドライなところがないと続かないのは当たり前として。相手の異性を感じない程度の距離感。二人でお酒を飲んだとしても、「じゃあな」と別れるくらいのさっぱりした関係。絲山秋子『沖で待つ』のなか…

ただ信じる、それが勇気

今日は具合が悪くて臥せっている。とても良い天気で日当たりのよい部屋は昼間の暖房がいらないくらいだ。このところ体調もだいぶ良かったので、今日からボランティアに復帰できるかなぁと思っていたが、今朝はしんどくて起きられず、出かけるのを断念せざる…

辞書っておもろいんですね【恋愛】

辞書っていうと、やはり高校生の頃に一番よく使っていたかなぁ。私のはセキセインコにかじられてボロボロになっていた。友だちには調べた英単語にマーカーで印をつけてピンク色になってるコや、辞書を1枚1枚くしゃくしゃにすると引きやすくなると教えてく…

書くことで失われるもの

フランツ・カフカは迷う人である。本を出したいと思いながら、出版が決まりそうになるとやっぱり出したくないと思ったり、結婚を申し込んだ女性から承諾されると、自分がいかに結婚生活に向いていないかを延々と手紙に書くといったぐあいに。迷い続ける=決断…

ぽかぽか春もよう

少し風はありますが暖かい日で散歩日和です。今日は体調も良くて、お気に入りのカフェテラスに行って来ました。 セキレイさんがかわいくお出迎えしてくれました。もう桜もだいぶほころんでいますが、百日紅は少し寒そうにしています。でも、枝が青空に映えて…

ダメさを許す人間はダメか

ダメさを責める人がいる。説教したりとか怒ったりとか。私の苦手なタイプだ。そういう一方通行なのより、私はダメさ加減を笑い合える人間関係が好きだ。ダメと共に生きていくのも、ダメの辛さをわかっているのも本人だからだ。たまには、ダメをこじらせると…

幸せの贈り物

かきつばたの花巾着ができました。色を変えながら編んでいきました。開け口と持ち手が花模様になっていて、ちょっと苦労しましたが、気に入っています。 かきつばたの花言葉は、≪幸運は必ず来る≫、≪幸せはあなたのもの≫、≪贈り物≫です。さて、花言葉を使った…

【編み物エッセイ】 移ろう気持ち~告白

紫陽花の花巾着を編みました。紫陽花は季節外れですが、手もとにあったキットで作りました。緑が抹茶のように渋くて気に入っています。紫陽花の花言葉は有名な「移り気」ですが、青い紫陽花だと「冷淡、無情、高慢、辛抱強い愛情、あなたは美しいが冷淡だ」…

柔らかく生きたい。

頑なに守るのではなく、柔らかく降りていきたい。誰かのせいにして叫ぶのではなく、つぶやきながら微笑んでいたい。そんな私は夢追い人と言われるだろうか。 ただ私はよく知らない絶対者より、手の届く身近な人々と優しく交わって生きていきたい。睨むのでは…

夜に 降ってきた散文

私は君の言葉を捉えようとするのだけれど、君は背中を丸めて黙り込んでいる。どこに行ってしまったのか、君の言葉は。ひっそりと奥底にしまい込まれてしまったのだろうか。 蝶の死骸に私はおののくーー君の言葉が永遠に失われてしまったのかと。けれど一方で…