kai8787の日記

編み物と散歩と読書とうさぎさん ̄(=∵=) ̄

ふと気づいてしまった。

作家は、登場人物の名前をどのように決めているのだろうか。そう思ったのは、名前に色のついた人物を多く登場させている本に出会ったからだ。

ポール・オースター『幽霊たち』では、探偵のブルーがホワイトに頼まれて、ブラックという男を監視し続ける。ブラックは毎日窓際の机に向かって、本を読んだりノートに何かを書いたりする毎日を送っている。何の事件も起こらないまま時は過ぎていく。ブルーはその状況を変えようと動き出すのだが……。

ブルーの師匠の名まえがブラウン。もう、ここまで来るとかなり意図を感じる。ポール・オースターは『鍵のかかった部屋』で主人公にこんなふうに語らせている。

何より一番楽しかったのは、名前を考え出す作業だった。ときとして僕はとんでもない名前ーーものすごくコミカルな名前、駄洒落になっている名前、猥褻な名前ーーを使いたい衝動に駆られ、それを抑制するのに苦労した。でもたいていは、リアリズムの領域内の名前で満足していた。

さて、色のついた名前で思い出すのは、村上春樹『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の旅』だ。主人公の高校時代、仲良しグループのメンバーは皆、色のつく名前だった。

もしかして、村上春樹ポール・オースターの『幽霊たち』から着想を得たのではないか。そう思ったのは2つの小説にもうひとつ共通点があるからだ。

両方に、主人公の彼女が見知らぬ男性と腕を組んで歩いているのを見かけるというシーンがある。オースターの方は彼女も気づく展開、村上作品では彼女は気づかずに通り過ぎていく。

確か、オースターと村上春樹は知り合いのはずなので、あながち私の過ぎた憶測ではないのではなかろうか。それとも、私が知らないだけでこれは村上のオースターに対するオマージュとして認知されていることなのかもしれない。

でもまあ、私としてはこれに気づいたことで、ちょっと得した気分になった。


幽霊たち (新潮文庫)

幽霊たち (新潮文庫)

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