辞書っておもろいんですね【恋愛】
辞書っていうと、やはり高校生の頃に一番よく使っていたかなぁ。私のはセキセインコにかじられてボロボロになっていた。友だちには調べた英単語にマーカーで印をつけてピンク色になってるコや、辞書を1枚1枚くしゃくしゃにすると引きやすくなると教えてくれるコもいて、何だか懐かしい。
サンキュータツオ『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』は、辞書の奥深さを教えてくれる。
例えば、新明解国語辞典での恋愛の項がおもしろい。
れんあい【恋愛】
初版
一組の男女が相互にひかれ、ほかの異性をさしおいて最高の存在としてとらえ、毎日会わないではいられなくなること。
毎日会わないではいられないって、すごいな。これが版を重ねるごとに変わっていき、第五版になると、バージョンアップがはなはだしく、こうなる。
(第五版)
特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと。
辞書にこんなこと書いてあるなんて知らなかったなぁ。おもしろい。
ちなみに、岩波国語辞典の場合は
男女間の、恋いしたう愛情。こい。
これだけ。さすが岩波。武骨で揺るぎない。
新明解は面白いな。あとなるほどと思ったのはこれ。
こうぼく【公僕】
〔権力を行使するのではなく〕国民に奉仕する者としての公務員の称。〔ただし実情は、理想とは程遠い〕
最後の一文がなかなか鋭い。いや、これは辞書として言葉のニュアンスを伝えようという真摯な取り組みなのだろうけど。ウケた。
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