女子会の覗き見気分で
小説ばかり読んでいたので、たまにはエッセイを読みたくて、選んだのが山本文緒『日々是作文』。
著者が31歳から41歳になるまでの約10年間に雑誌などに書いたエッセイを集めた本だ。
さばさばしていて、あっけらかんと自分をさらけ出している、という印象を持った。恋の話、モテるとは何か、本の話や猫のこと……共感したり、驚いたり、何だか肩の力が抜けて、女同士の打ち明け話を聞いているような親近感で読んだ。
セックスの一番の効用は、そうして社会から切り離され、社会での役割を忘れ、本来人間はただの動物だということを思い出し、人肌の気持ちよさを無心に味わい、お互いがお互いを好きならば、労(いたわ)りあい思いやりあい、鳥の巣みたいに小さくても、そこに二人だけの絶対安心な場所を作り上げることができるからじゃないでしょうか。
いつかは飽きるとか、今は優しいけど男ってものはそのうち浮気するとか、そういう邪心で一瞬の幸福に水を差して楽しいでしょうか。それがつまり頭でっかちっつーことです。
そ、そうですか_(^^;)ゞ。臆病なだけなんだけどなー。とはいえ、ときたま「ただの動物」に戻るっていうのも大事なことでしょうね。
- 作者: 山本文緒
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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