kai8787の日記

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深い森のなかの事件

久しぶりにミステリーを読んだ。マリーア・シェンケル『凍える森』。

1922年、南バイエルンの片田舎ヒンターカイフェックの大きな農家で一晩のうちに6人が惨殺された『ヒンターカイフェック殺人事件』は、ドイツ犯罪史上もっともミステリアスで猟奇的な事件として、広く知られている。
この事件に、著者マリーア・シェンケルはひとつの推理で挑んだ。それが本書2007年ドイツミステリー大賞受賞作『凍える森』である。

この本は証言で構成されている。斬新な試みだ。
被害者の友人や教師、家に立ち寄った郵便配達人や修理工、発見した近所の農夫
たちの証言から浮かび上がるものとは……。

証言者たちの中に犯人がいるのか、いないのか、どきどきしながら読んでいく。ある証言の中に違和感を覚える。「もしかして」という疑念が生まれ、最後に真実が明かされたときに「やはり」と納得する。ミステリーの快感を素直に味わった。


凍える森 (集英社文庫)

凍える森 (集英社文庫)



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