小説家のエッセイ
小説を読むより先にエッセイを読んでみることがある。どんな人なのかなぁという興味があったりして、エッセイがある作家の場合は、覗き見気分でつい手を出してしまう。
あんまり先入観なしに小説を読んだ方がいいのかもしれない。ただエッセイと小説は全然テイストが異なるので、そんなに引きずられることもない。
川上弘美『なんとなくな日々』は力の抜けたエッセイ集で、作家の日常の一辺が切り取られていく。鋭い観察眼が披
瀝されるわけでもなく、等身大の暮らしが書かれているのだが、ふとした場面で突然異物が現れてくる。「台所は生と死に深くつながる場所」とかどきっとする表現があったり、突然カッパが登場したり。
ごく短い文章で構成されていて、1200字くらいの長さのツイッターを眺めてるような気楽さで読めた。
あとがきに、小説よりもエッセイを書くのが難しいと書いていて興味深かった。

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