【本の記録・感想】ゆるやかな仕事
私はいわゆる賃労働はしていない。体調が良かったり悪かったりするので、定期的に就業するのは難しい。ボランティアはやっているけど、「具合が悪くて休んでもバックアップするよ」と言ってくれる仲間がほとんどなので、お陰様で何とか続けられている。有難いことだ。
でも、働いてお金を稼ぐことを諦めたわけじゃない。こんな状態でも何かできることはあるんじゃないかと模索している。自分1人で全責任を背負わなくていい仕事だってあるかもしれない。常識からすると甘いと言われるだろうけれど、ちょっとした手仕事ーーしかも自分が得意で楽しめて割りと〆切がゆるやかな仕事ってないのだろうかと夢想する。もちろん、稼ぎは少なくていいから。
そんなヒントになる本を読んだので少し勇気がもらえた。著者はそれを「ナリワイ」と名づける。色々な小さな仕事「ナリワイ」をつくって、それを何個か組み合わせることで生活していくという考えを実行に移した経験を元に書かれた本だ。
現代は仕事が分業化され、一つの仕事を専業にしている人が多いけれど、それだと「会社と一蓮托生」のリスクがつきまとう。でも複業であれば、そのリスクが減る。また、その「ナリワイ」が生活力を向上させるものであることが重要で、それによって自給力が増し、収入はさほど見込めないけれど、支出が減るということが述べられている。
例えば、田舎では、そういう手間仕事が色々あって、頼まれてやっていくことで、ちょっとした収入を得たり、知り合いが増えたりということがあるらしい。そして、「ナリワイ」は自分1人で頑張るのではなく、仲間を募って一緒に働くということも大事なのだという。
ナリワイとは、ハードな自給自足でもなく、生活より利益優先のバトルタイプ資本主義ファイターでもない、ぼちぼち稼ぐ暮らし方である
著者は、モンゴル武者修行ツアーや古民家の床はりをして再生するなどのナリワイをしている。その企画・運営力は凄い。とてもエネルギッシュな行動家で、私にはとてもマネできないけれど、私なりのナリワイを見つけることができたらいいなぁと思う。
- 作者: 伊藤洋志
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