夜に 降ってきた散文
私は君の言葉を捉えようとするのだけれど、君は背中を丸めて黙り込んでいる。どこに行ってしまったのか、君の言葉は。ひっそりと奥底にしまい込まれてしまったのだろうか。
蝶の死骸に私はおののくーー君の言葉が永遠に失われてしまったのかと。けれど一方で安堵しているのだ。そう私はいつしか、君の言葉を恐れるようになった。何を考えているのかわからぬ恐怖。ひと言でも発せられたら、射ぬかれるのではないか。そんな思いを抱くようになった。
死んだ蝶は君への愛だったのかもしれない。
こぼれていく私の一片の欲情が色褪せる。